ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

ひと言まとめ

顧客が製品やサービスを引き入れるのは顧客にとって重要なジョブが発生し、まだ満たされていないときにそれを解決するためだ。

この書籍を読んで

元々FICCの荻野さんがtwitterでこの書籍をオススメしていたことがきっかけで購入しました。ジョブ理論という切り口で消費のメカニズムを解いていく書籍となっています。ジョブという要素は顧客の問題解決に近いニュアンスなのですが、従来のマーケティングで言われる顧客のニーズとは異なり、顧客の置かれている状況からさらに細分化して考えます。例えば「食べる」というひとくくりのニーズではなく、「長く退屈な車通勤の時間にちょっとした楽しみが欲しい。でも早朝にミルクシェイクを片手にしている姿を同僚に見られるのは恥ずかしい」というレベルまで顧客の片付けたいジョブを明確にします。そのうえでミルクウェイというプロダクトをジョブ解決ために雇用してもらうという考え方です。

この書籍で覚えておきたいポイント

ジョブの定義

進歩

ジョブの定義は「ある特定の状況で人が遂げようとする進歩」重要なのは顧客がなぜその選択をしたのかを理解すること。ゴールへ向かう動きを表すため、あえて進歩という言葉を選択した。ジョブとは進歩を引き出すプロセスであり、独立したイベントではない。

状況

ジョブの定義には「状況」が含まれる。ジョブはそれが生じた特定のコンテクストに関連してのみ定義することができ、同じように、有効な解決策も特定の文脈に関連してのみもたらすことが出来る。ジョブの状況を定義するにあたり重要な質問は沢山ある「今どこにいるのか」「それはいつか」「誰といっしょか」「何をしているときか」「30分前に何をしていたか」「次は何をするつもりか」「どのような社会的、政治的プレッシャーが影響を及ぼすか」等だ。ジョブを定義するのに状況が不可欠なのは、成し遂げたい進歩の性質が状況に強く影響されるからだ。

ジョブとは何か?

  • 成功するイノベーションは、顧客の成し遂げたい進歩を可能にし、困難を解消し、満たされていない念願を成就する。また、それまでは物足りない解決策しかなかったジョブ、あるいは解決策が存在しなかったジョブを片付ける
  • ジョブとは特定の状況で人あるいは人のあつまりが追求する進歩
  • ジョブは機能面だけで捉えることは出来ない。社会的および感情的側面も重要であり、こちらのほうが機能面より強く作用する場合もある
  • ジョブは日々の生活の中で発生するので、その文脈を説明する「状況」が定義の中心に来る。イノベーションを生むのに不可欠な構成要素は、顧客の特性でもプロダクトの属性でも新しいテクノロジーでもトレンドでも無く、「状況」である
  • 片付けるべきジョブは、継続し反復するものである。独立したイベントであることはめったにない。

ジョブではないもの

ジョブは従来のマーケティングで言及される「ニーズ」とは異なる。ジョブは遥かに細かい明細化を伴うからだ。ニーズは常に存在し、漠然としている。「私は食べる必要がある」という表明はほぼ常に真実である。「健康でいたい」「定年後に備えて貯蓄する必要がある」も同様だ。これらが消費者にとって重要なのは確かがだ、ぼんやりとした方向性しか示せない。顧客がほかでも無いそのプロダクト・サービスを選ぶ理由を正確に定義するには足りない。一方ジョブは遥かに複雑な事情を考慮する。何かを食べる必要があるという状況とその時点で重要で無いその他のニーズは激しく変化しうる。ミルクウェイの例で言えば、そのときの特定の状況で作用するニーズが集合したものである。単なる機能的あるいは実用的なニーズだけではなく、社会的、感情的なニーズもある。(長く退屈な車通勤の時間にちょっとした楽しみが欲しい。でも早朝にミルクシェイクを片手にしている姿を同僚に見られるのは恥ずかしい)

ジョブを見極めるには

  • その人が成し遂げようとしている進歩は何か
  • 苦心している状況は何か
  • 進歩を成し遂げるのを阻む障害物は何か
  • 不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか
  • その人にとってより良い解決策をもたらす品質の定義は何か、また、その解決策のためにトレードオフしても良いと思うものは何か。

ブランドはカテゴリーで育てていくものではなく、顧客の片付けるべきジョブを中心に育てていくべきである。