小さなチーム、大きな仕事 37シグナルズ成功の法則

ひと言まとめ

これまで一般的に語られてきた企業の成功理論や成長理論を根本的に覆す一冊。会社は自分達の力でスタートして、身の丈にあった規模でコンパクトかつシンプルに。成長はゆっくりで良い。小さく無駄がなければ、方向展開がしやすく素早く柔軟に身動きがとりやすい。競合を分析するのではなく、自分に正直になって、自分が作りたいものを作り、自分の正しいと思う道を進めばよい。小さいことを恥じることは無い。大切なのは持続的に利益を出すことだ。

 

この書籍を読んで

本当に素晴らしい書籍でした。これほどまで価値観の合う著者は初めてかもしれません。「小さい」ということは恥ずべきことではないということが一貫して書かれており、アンチ拡大志向の人間の背中を押してくれます。ジェイソンフリード氏が一貫してこれまでの「一般的の経営論や仕事論」に対して喧嘩を売るスタイルは「そう!そうなんだよ!」と言ってしまいたくなります。読めば読むほど気持ちをスッキリさせてくれる一冊でした。

この書籍で覚えておきたいポイント

会社の規模なんて気にしない

会社に最適な規模は5人かもしれないし、40人や100人かもしれない。どのくらいの規模にするかをすぐには決めないこと。ゆっくり成長して最適なサイズをみつける。あせって人を雇うのは多くの企業にとって死因となる。身の丈に合わない急激な成長にも気を付ける。小さいことは通過点ではない。小さいことは目的地でもある。大企業は身軽で柔軟であることを夢見ている。一度会社をおおきくなってしまうと、社員を解雇したり、ビジネスのやり方を根本的に変えたりしない限り、縮小することは非常に難しい。右肩上がりがゴールである必要は無い。拡大すれば頭痛の種も増える。経費がかさむようになると、複雑なビジネスを作らざるを得なくなる。管理が難しく、ストレスに満ちたものを。小さなビジネスを目指すことに不安を抱かなくて良い。持続的で利益の出るビジネスを行っていれば、それが大きかろうと小さかろうと誇るべきことである。

あなたの欲しいものを作る

他人の問題を解決しようとするのは、暗闇の中をむやみに進もうとしているのと同じである。解決しようとしているのが自分自身の問題であれば、足元は明るくどれが正しいかわかる。

外部の資金は最終手段

工場やレストランといった設備投資のいらないビジネスが増えている。いわゆるサービス業でこのようなビジネスは大きな資金は必要としない。まずは外部の資本を入れずにビジネスに乗り出すべき。外部資本の罠は以下の通り。

コントロールを失う

外部の人間に頼るなら、彼らに応える必要がある。他人の注文をこなすために自分のビジネスをスタートさせるのか?資金を調達すればあんたのビジネスではなくなる。

現金化は良質なビジネスの構築を妨げる

投資家は資金が素早く戻ってくるよう期待する。(3~5年)。投資家が株を売却し手を引きたがると、長期の持続性は眼中になくなる。

他人の金を使うのは癖になる

他人の金を使うより簡単なことは無い。やがて金を使い果たし、さらなる資金を得るために投資家に会うことになる。徐々に会社は投資家のものとなっていく。

基本的に不利な取引になる

スタートしたばかりは立場が弱い。融資を受けるには最悪のタイミング。

顧客が後回しになる

顧客が欲しいものではなく、投資家の思い通りになってしまう。

資金調達に注意をそらされる

投資家を探すのは難しい。説得、法的な駆け引き、契約などに時間もかかる。すごいものを作るときにこれは雑音にしかならない

必要なものは思ったより少ない

本当に10人必要だろうか?2、3人で出来るのではないだろうか?いずれ大金のかかる道を行く必要があるとしても、それは今ではない。質素でも何も問題ない。偉大な企業はガレージでさえスタートするものだ。

売却するつもりのビジネスは廃却されることになる

別れることを考えて異性付き合うのか?最初のデートで婚前契約書を各のか?けっこんしきの朝に離婚弁護士にあるのか?バカバカしい。ビジネスを売却して大金を手に入れてどうする?島で豪遊するのか?金だけがあなたを幸せにしてくれるのだろうか?ビジネスを売却した多くのオーナーたちは引退から半年で戻ってくる。これが答えである。良い仕事をしているならやり続けるのだ。大切なビジネスならばなおさら取り逃さないこと。

身軽でいること

今このときあなたは最も小さく、無駄が無く、速い。これからどんどん鈍重になっていく。方向を変えるのにより大きなエネルギーが必要になる。身軽でいればビジネスモデル、製品、機能、マーケティング、なんでもすべて変えることが出来る。最も重要なことはあなた自身の考えを変えることができる。

芯から始める

全く新しいことを始める際にはやらなければならないことから取り掛かるべきだ。つまり芯から始める。芯の見つけ方は「もしこれを手放しても、自分が売るものはまだ残っているか」と自身に問いかけることだ。ホットドッグ屋台はホットドッグがなくてはホットドッグ屋台ではない。

初めのうちは詳細を気にしない

まずは根本的なところから固めて細かいところは後から決めればいい。細かな部分から違いは生まれるが始めのうちから細かい点を気にしすぎると意見の不一致から会議が増え、計画に遅れが生じる

やることを減らす

失敗するレストランの多くは数えきれないほどのメニューが並んでいる。現状のメニューを良くすることが最初。まずはメニューを減らし、残ったものを磨いていく。物事がうまくいかないと人はさらに多くの人と時間と金をかけようとするがそれは問題を大きくするだけである。やるべきことは逆。減らすことである。

変わらないものに目を向ける

多くの会社はトレンドや人気のあるものに飛びつくがそれは愚かなことである。ビジネスを立ち上げるのであれば、その核は変わらないもの。今日欲しいと思うもの。10年後も欲しいと思うものにすべきである。

副産物を売る

何かを生み出すときには実は別の何か生まれている。このようなものにチャンスが見いだせる場合がある。例えば木材業のチップなどがいい例である。

やめた方良いものを考える

自分が本当に大切な仕事に取り組んでいるかどうか、次のように問い直してみよう。

なぜおこなうのか

なぜ行っているかはっきりとはわからないけれど、何かに取り組んでいることに気づいたことがあるか?誰のため?その裏にある動機は?これらの答えを知ることでその仕事をよりよく理解する助けになる。

どういった問題を解決するのか

何が問題?顧客が混乱しているのか?自分が混乱しているのか?何が曖昧なままなのだろうか?可能でなければならないことが可能になったのだろうか?一旦立ち止まって一体自分が何をしているのかを再確認しるみる

本当に役に立つのか

それが役に立っているか考える必要がある。かっこよさはすり減るが役立つかどうかはすり減ることは無い。

何が価値を加えているのか

何かを加えるのは簡単だが、価値を加えるのは難しい。取り組んでいることは顧客にとって価値あるものだろうか?ケチャップが多すぎればフライドポテトを台無しにしてしまう。

それは行動を変えるのか

今取り組んでいることは何かを変えるのだろうか?製品の使い勝手が良くならないのであれば辞めた方が良い。

もっと簡単な方法はないのか

あることに取り組んでいるときは常にもっと簡単な方法はないのかと自問するべきである。

かわりに何をすることが出来るのか

リソースの限られている小さなチーム、つまりプライオリティを決めることがより一層重要になっている状況において重要な問いである。Aの仕事を始めたとしたらそれでもB、Cを4月前に終えることが出来るだろうか?もしそうでないとしたら、Aの代わりにB、Cに取り組む方が良いのだろうか?

本当にその価値があるのか

あなたが行っていることは本当に価値があるのか?時には既に取り組んでいることを中止することが正しいこともある。

邪魔が入る環境では生産性が上がらない

ひとりだけの長い一続きの時間にこそ生産性が最も高くなる。タスクを行き来して集中力を移していかなくともよければ、多くの仕事を終えることが出来る。このモードに入るには時間がかかる。睡眠のようにすぐにレム睡眠に入れるわけでは無い。どのような中断があっても最初からやり直しとなる。ひとりきりモードこそ生産性の魔法の効果が現れるときだ。仕事のルールを設定することも出来る。例えばある時間からある時間までは誰とも話してはいけないことにする。ある時間は一人だけの時間にする、ノートークサーズデーを試す。コミュニケーション依存からの脱却を意味する。ただ黙って仕事に取り組む。

会議は有害

会議は最も有害なもののひとつである。参加者×時間の生産性を奪っている。もし絶対に会議をしなければならないのであれば、以下のルールが必要。

  • タイマー
  • 極限まで人数を減らす
  • 議題の設定
  • 具体的な問題から始める
  • 会議室では無く、実際に問題が起こっている場所で行う
  • 解決策を出して終了し誰かにそれを実行する責任を負わせる

長すぎるtodoリストは終わることが無い

問題を素早く扱うことができるように、可能な限り小さい要素へと分解する。優先度は高い、低い、1、2、といった付け方はしない。必然的に優先度が高いものばかりになるのが関の山だ。視覚的に優先度がわかるようにして高いものは上、低いものは下にして、上から順に処理していく。

真似てはいけない

真似をする側はオリジナルにいつまでも追いつけない。常に受動的な立場で先導することなく後塵を拝している、そんな生き方が良いわけがない。

喧嘩を売る

もし競合相手が最低だと思ったらそう言おう。アンチであることで自分に同意する人が集まってくるのがわかる。

競合以下のことしかしない

相手を打ち負かすためには一つ上をいかなければならいという決まり文句があるが、冷戦のような軍拡競争の行きつく先は莫大な資金と時間と意欲の消耗である。競合よりも少なくするのだ。簡単な問題を解決して、一つ上をいくかわりにひとつ下回るようにしてみよう。

競合相手が何をしているのかなんて気にしない

競合他社に対してあまり注意を向ける価値はない。競合他社にあまり注目しすぎるていると自分自身の洞察力が希薄になってしまう。素晴らしいことを思いつく機会が減少してしまう。ほかを真似るのではなく、あなたが信じていることで戦うほうがいいのだ。

ドラッグの売人はの方法は正しい

自分の商品を少し無料で使ってもらっても後で現金で改修ができるほどいいもの、熱中してもらえるもの、手放せないものに変えるのだ

マーケティングは部署ではない

マーケティングは会社の皆が行うものである。何かコミュニケーションの手段があるのなら、マーケティングは出来る。

まずは自分自身から

まずは自分自身でやってみるまでだれかを雇ってはいけない。仕事の本質を理解しよう。前にしたことのある仕事なら新しい人たちのマネジメントもうまくできる。他人の手に自信の運命を預けることは危険である。

無用な人は雇わない

取りつかれたように人を雇う会社があるがそのような会社になってはいけない。たとえ有能な人あっても雇っても何もやることがないのであれば百害あって一利なしである。

会社を知人のいないパーティーにしない

短期間で多くの人を雇うと知人のいないパーティーになってしまいがち。皆が対立や劇的な反応を避ける。だれもダメだと言わない。平穏に事が進められるが誰も傷つけないがだれも愛さない商品を作ることになる。少しずつ人を雇うことが知人のいないパーティを避ける方法である。

履歴書はバカバカしい

履歴書はすごく簡単に作ることが出来る。一気に数百もの応募先に送ることも出来る。スパムである。履歴書ではなく、送り状の文章を見るべきである。違和感を感じればその後、印象が変わることは無いだろう。

経験年数は意味がない

経験の長さは過大評価されている。大切なのはどれくらい質の高い仕事をしていたかだ

学歴は忘れること

学校は社会で通用しない間違ったことを沢山教えている。有望な人材は学校を突出して卒業した層以外にも沢山いる。中退や成績の悪い人、短期大学や高卒にも。

全員が動く

他人にこれをしてというばかりの仕切り屋を雇ってはいけない。人に仕事を任せる人はまわりを会議に巻き込むのも好きだ。割り当てる仕事がなくなるとどれほど必要かも考えずにさらに新しい仕事を作ろうとする。

自分マネージャ雇う

彼らは必要以上の指示やマネジメントがいらない。どうやって見つけるか?彼らは何かを独力で行ったはずだ。プロジェクトを立ち上げたはずだ。

文章力のある人を雇う

文章力がある人は考え方がはっきりしているということである。コミュニケーションのコツもわかっている。他人に理解しやすいようにしたり、他の人の立場になって考えられる。何をしなくて良いかもわかっている。そんな能力こそ必要なはずだ。なによりイマは文章のやり取りが圧倒的に多い。

社員をテストドライブする

面接だけでは十分ではない。一番良いのは実際の仕事ぶりを見ること。小さなプロジェクトに実際に入ってもらう。実際の仕事の環境では本質が見えてくる。

文句は放っておく

人は週間の生き物。何かが変わるだけでネガティブな反応を示す。すぐに反応してはいけない。決断に自信があるのであれば不評でも突き進まなくてはならない。文句は聞いていることを示し、しばらく放っておけばたいていはいずれで自分達で変化に適応する。

文化はつくるものではない

即席で作った文化は人工的だ。ミッション、宣言、ルール。わざとらしくて醜く、見せかけだ。即席は絵の具のようで本物は緑青のようなもの。文化はつくるものではなく自然に発達するもの。文化は普段のふるまいの副産物。文化とは行動であり、言葉ではない。無理に文化を作ろうと考えないことだ。上等のスコッチのように、熟成には時間がかかる。