ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社

ひと言まとめ

自分達の欲しい製品しか作らない。差別化されている製品を作り、わかりやすく伝え、お客さまに親切で丁寧なサービスを貫く。

定時で退勤し、福利厚生が整っていても社員は幸せにはなれない。会社yの価値観を社内で共有し、目指すべき目標を明確にすることで、社員の達成感を満たし、やりがいを見出せる職場にすることが出来る。やりがいや達成感がなければ社員は幸せにはなれない。

この書籍を読んで

200ページ程度の書籍。1、2時間程度でサクッと読める。

もともと広告代理店のブラック企業で役員を務めていた岩崎祐美子氏の著書。満席的な残業で常に終電まで働いていた前職に限界を感じ、自らランクアップという化粧品会社を立ち上げ本当のホワイト企業を作るための過程が紹介されている。

まずは根底にある製品やビジネス自体の強さ。この著書では詳しく語られていないが、製品の強さがあり、安定した利益を生み出せているという点は大きいと推測する。売上が上がっていないにも関わらず、定時に帰るバカはいないだろう。

また、岩崎さんの前職である広告代理店はBtoBであり受託系のビジネスになる。それに比べて新しい会社では自社ブランドを展開している。つまりBtoCである。この違いは残業の量に影響を及ぼす大きなポイントである。受託はクライアントを無視することは決して出来ない。反面BtoCブランド展開は自社主導でビジネス出来る。究極で言えば「嫌なら使わなければ?」と言える点は大きい。(こんなこと言わないけど)

さて、岩崎さんは会社を立ち上げ後も前職の反省を生かし、17時退社を実現する仕組みを構築し、様々な福利厚生を整えている。

17時退社を実現するための取組みとしては、主に以下、

  • 毎月業務の棚卸を行いやるやらないを決める
  • コア業務以外は理念が共有できる会社にアウトソージング
  • ルーティンワークはシステム化
  • 事務職は廃止

このあたりの取組みは非常に共感を覚える項目が多い。岩崎さんの会社のこれらの取組みは一言で言えば「売上に関するコア業務以外はやらない」ということだ。一般的な会社はスタッフにやることばかり課している。それゆえに雁字搦めになっている。本当は売上に関わる業務に集中したいのに集中出来ない環境を会社自ら作りだしているのだ。このあたりは僕自身日々感じることで部下たちには常に「やらないことを先に決めろ」と言っているので間違っていないかったと再確認できた。

さて、もう一点が事務職の廃止。岩崎さんの考えとしては社員には一生健康で働いて欲しいという考えがある。一生働くには成長は欠かせない。しかし、事務職にはある程度成長に限界があるし、売上を上げることも出来ない。岩崎さんは事務職を軽視しているわけではないが、一生を通じて成長をさせられる場を提供できることが出来ないため廃止したとのことだ。

AIが発展してきている現状を考えればルーチンワークをこなす事務職は不要だろう。少なくとも少数精鋭の会社では不要だ。

これらの取組から会社は売上を伸ばし、しかも定時に退勤することが実現できるようになった。しかし、なぜか会社は一向に明るくならないらしい。これは「ワンマン経営」の代償で会社では何を決めるにも全て代表である岩崎さんと取締役の日高さんで決定していたらしい。そのため、社員は作業だけを依頼されていて、達成感ややりがいを見失っていたとのこと。

ランクアップでは「どんな会社にしたいのか」、「会社はどこに向かうのか」、「社員に何を期待しているのか」といったことが共有されておらず、社員が達成感を感じるために必要な「個人の成績」「上司や同僚からの信頼」といったことが実現出来ていなかった。

まずランクアップが行ったのが会社としての価値観を定めること。価値観さえ理解し共感し合っていれば、都度代表に決裁を仰がず、一人ひとりが会社の価値観に合わせて判断することが出来る。はじめは困惑もあったが、経営者の岩崎さんが多少の反感が出ることは覚悟の上、これを社内に浸透させた。結果としてランクアップはワンマン経営から価値観に基づき行動が出来る現場主導の会社に生まれ変わった。そして現場の業務の裁量が大幅に広がることで、社員が自ら新しくイベントを企画することも増え、ランクアップはやりがいに満ちた会社に生まれ変わった。

この書籍で覚えておきたいポイント

7つの働き方革命

全社員に定時退社を徹底する

経営者が本気であることを示す。そうすることで社員も理解が広まっていく。

毎月の業務の棚卸でやる・やらないを選別

毎月社員の残業状況を確認する。そのうえで、システム化、アウトソーシング、配分などを検討。目的が不明な業務はやめる。

取引先を巻き込む理念共有型アウトソーシング

餅は餅屋。プロに任せた方が良いものは任せてしまう。自分達にしか出来ない業務に集中する。アウトソーシング先は理念を共有できる会社にする。そうすることでパートナー同士でトラブルに対応するなど出来るようになる

ルーティンワークはどんどんシステム化

複雑な事務作業など毎月発生する業務はシステム化する。自分達が一番考えなくてはならないことに集中できる環境を作りだす。

事務職の廃止

考える仕事は新しいサービスを生み出す可能性がある。そのため、事務職は廃止した。事務職はスキルアップに限界がある。一生健康で働くうえで成長し続けられる職種ではない。

業務スピードを上げる6つの社内ルール

    1. 社内資料は作り込まない。
    2. 会議は30分
    3. メールでお疲れ様は使わない
    4. 社内のスケジュールは勝手に入れる
    5. プロジェクト化
    6. 社内根回し

17時に帰っていいよ制度

震災を機に定時の時間を早めて17時退社にした。

のこりのポイントは後述コメントにまとめる