【マネジメント】行動、結果、環境3つのコントロールでチームをマネジメントする

こんにちは。

なぜかよく勘違いされますが、パーティなピーポーやウェーイなピーポー達が苦手な椿坂です。

さて今日はマネジメントについて学んだことを書きたいと思います。私は現在、在籍する組織にて28才にして部長という肩書きを任されております。小規模な組織にはよくありがちですが、特に育成フローがある訳でもなく、突然マネジャーを任せれた訳です。当然右から左まで何が何だか分からない状態で、完全に名も実も伴っていない状態です。

ですが、部下達を路頭に迷わす訳にもいきませんので、なんとかマネジャーとして成長しないといけないわけなのです。もちろん身近な所にメンターとなる方は見当たらないので、例のごとくまた書籍に頼ることにした次第です。

レバレッジリーディングに習い、いくつかマネジメント関連の書籍を読み漁りましたが、その中でも実用的と感じたのは、若林計志氏の「MBA流チームが勝手に結果を出す仕組み」です。

この書籍は新書サイズで持ち運びも便利な上に、中身に関しても「こうやりなさい」と、実に明確で、学術的な書籍にくらべてもかなり実用的です。おかしなバイアスのかかっていない若年層のマネジャーにとっては、スッとやるべきことが見えてくるのではないかと思います。(そしてなにより中古品が安い。笑)

さて、この書籍の内容ですが、3つのコントロールに視点を当ててチームをマネジメントしていくように書かれており、すぐ現場で実践出来るノウハウが紹介されています。今日はこの書籍から学んだ3つのコントロールについて書いていきたいと思います。

そもそもマネジャーの役割とは?

まずはコントロールの話に行く前にそもそもマネジャーの役割は何なのかという点を見直します。組織の中には沢山の人間がいて、それぞれ役割分担があります。経営陣と現場の狭間に位置するマネジャーの役割は戦略を実行レベルに落とすことです。トップはいつも格好の良いことを言います。「売り上げ20%アップ。」「新しい世界を創造する。」等、いつも抽象的です。この抽象的なメッセージを具体的な実行出来るレベルまで落とし込み、トップと現場との通訳者となることがマネジャーの重要な役割です。

マネジャーはメッセンジャーではない。

トップが掲げた目標をそのまま現場に受け流すだけではマネジャーとしての価値がありません。以下の表のようにトップのメッセージを汲み取り、具体的な施策レベルまで現場に落とし込む必要があります。

良い組織 悪い組織
トップ 売り上げを30%増やす 売り上げを30%増やす
マネジャー 売り上げを30%増やすには新規顧客を平均月10件増やさなければならない。また、これまで納品までにかかっていた期間を1ヶ月縮めて生産性を高めなければばならない。

新規顧客の獲得の為にはWebサイトのリニューアルが必要だ。また生産性を高めるには各種業務のマニュアル化、自動化システムが必要だ。
今期は売り上げを30%増やす。どうすれば良いかは各自で考えてほしい
現場 Webサイトリニューアル・業務マニュアルの作成・自動化システムの構築 どうすればいいの?・・・

そして、トップのメッセージを具体化するにあたって、3つのコントロールとは、マネジャーが使うことが出来る武器のようなものです。それでは、以下、3つのコントロールについて、説明をしていきます。

3つのコントロールの特長

まず、この書籍で紹介されている3つのコントロールとは

  1. 行動コントロール
  2. 結果コントロール
  3. 環境コントロール

の3つになります。

それぞれ簡単に特長を書くと、以下のような特長があります。

行動コントロール

最も直接的なコントロール。誰がやっても同じ結果が出せるように「行動」を管理する仕組みを作ることです。具体的には行動マニュアルの作成と実施、各種ドキュメントのフォーマットの作成などです。これらの目的は正確性と効率性の追求となります。

結果コントロール

行動コントロールと異なり、具体的な方法は各個人に委任し、最終的な成果(結果)を設定するやり方です。ある程度個人の力量に任せる部分があるため、成果報酬系のビジネスなど成果に応じて報酬を得たい人をマネジメントするには向いています。反面、各プロフェッショナルが責任を負う範囲も大きいので厳しい世界であり、組織がバラバラになりやすい弱点もあります。

環境コントロール

組織の文化を創る根本的な要素をコントロールすることです。経営理念や規律、評価基準や報酬のシステムなど、組織の雰囲気を作りだす要素や採用、トレーニング、配置など「人」そのものに関わる事項です。

コントロールのブレンディング

3つのコントロールはバランスが重要です。例えば、結果コントロールを強くしすぎると、自らで考えることが出来ない指示待ち人間が増えてしまう恐れがあります。結果コントロールを強めれば、個々の裁量に任せる部分が多くなるため、成果を出せる人間が出てくるが、逆に成果が出せない人間も出てきてしまう恐れがあります。環境コントロールはスタッフのやる気を高めてくれるが、やる気が高くてもやり方がわかっていなければ空回りするだけになってしまいます。

このようにマネジャーは3つのコントロールが持つ特長を理解し、現場に合わせて最適な分量にブレンディングして行く必要があります。

それでは3つのコントロールについて、詳しく説明していきます。

行動コントロール

最も直接的なコントロールでやってほしいことを極めて具体的に指示し、それに沿って動いてもらうことで、望ましいゴールへと導来ます。このやり方はコンビニやファストフードをはじめ、アルバイトが多くを占めるフランチャイズ店などで多く利用されています。なぜならプロでも素人でもやる気があってもなくても、マニュアルに従ってもらえば、思い通りの結果が出せるようなるからです。例えばマクドナルドは世界中で店舗を運営していますが、どの店にいっても同じ味のハンバーガーやドリンクが提供出来るのはマニュアルがしっかりしているからに他なりません。鉄板の温度やパテやバンズをどのくらいの時間で調理するかきっちり決まっています。また、アップセルやクロスセルをかける際のトークスクリプトも徹底してマニュアル化されています。

行動コントロールが向いている仕事向いていない仕事

向いているもの 向いていないもの
  • 絶対に失敗出来ない仕事
  • 人の入れ替わりが激しい仕事
  • ルーティンワーク系の仕事
  • チェーン店やフランチャイズの仕事
  • クリエイティブな仕事
  • フルカスタマイズが必要なコンサルティング系の仕事
  • 研究開発など成功モデルが無い仕事
  • 顧客によってサービス内容が異なるホテルのコンシェルジュのような仕事

行動コントロールのメリット・デメリット

メリット デメリット
  1. 殻を破れる
  2. チームワークがよくなる
  3. ミスを防げる
  4. コストが下げられる
  5. やるべき仕事に集中できる
  1. 思考力が低下する
  2. 部分最適化が起こる
  3. 時間とコストがかかる
  4. 人間性が軽視されやすい
  5. クリエイティブな社員が離れて行く

行動コントロールのメリット

1.殻を破れる
マニュアルがあればスタッフはどうやれば正解か分かります。どうすればいいかについて、悩むことが無いので、自信を持って行動出来るようになります。つまりまだ十分な戦力になっていない人物も成功体験が出来るので自信を植え付けることが出来るのです。

2.チームワークがよくなる
これも「殻を破れる」と似ています。複数人がマニュアル通りに業務をこなせば絶妙なタイミングでゴールまで進行することが出来ます。例えるならばゴール前に走り込んだ絶妙なタイミングでパスが回ってきて、あとはシュートを打てば良い状態になるように仕組みかするようなもので、当然チームのモチベーションを上げることも出来ます。

3.ミスを防げる
仕事によっては、1度のミスで人の命を奪ったり、甚大な被害をもたらすものがあります。当然、そのようなミスは経営にとってクリティカルになりかねません。そのような業務は行動コントロールで未然に防ぐことが出来ます。

4.コストが下げられる
現場や業務内容によっては、マニュアルを用いれば経験値の少ない人材であっても、即戦力にスタッフにすることが出来ます。
つまりわざわざ正社員を雇う必要も無くなり、人件費の安い、アルバイトやパートの非正規社員で業務を回すことができるようになります。

5.やるべき仕事に集中できる
行動コントロールが機能すれば、自分がやるべき仕事が明確になってきます。無駄なことに悩む必要がないので、付加価値の高い本来の仕事にたっぷり時間を注ぎ、集中することが出来ます。

行動コントロールのデメリット

1.思考力が低下する
行動コントロールの基本はマニュアル化することですので、「マニュアルに無いから出来ません」「指示されていないからやっていません」というスタッフが出てきています。いわゆるお役所仕事しか出来ないスタッフが増えてきてしまう。ハンバーガーショップで10個のハンバーガーを1人で買いにきた客に対して「こちらでお召し上がりますか?」と聞いたという有名話があるが、行動コントロールを強めすぎると社内のスタッフがこのような状態になってしまいかねません。ルールを守ることを目的とするのではなく、本来の目的や役割があり、そのためのマニュアルという点を忘れないようにする必要があります。

2.部分最適化が起こる
役割を明確にし、ルールを決めると、スタッフが自分の与えられた業務の範疇から超えようとしなくなります。つまり「自分に与えられた業務はコレ。他は知りません。」という状態になることです。これも行動コントロールを強めすぎた弊害です。「今日は10件まわりました」「50件電話しました」といったことをスタッフが口にし始めた場合は、黄色信号です。思考能力の低下と同じく、本来の目的を見失っている状態ですので、この辺りは後述する結果コントロールをうまくブレンディングしていく必要があるでしょう。

3.時間とコストがかかる
行動コントロールを強めすぐりあまり、多数の決裁プロセスが必要になったり、確認フェーズが増えてしまうケースがあります。これでは逆に時間がかかってしまい、コストが生じてしまいます。

4.人間性が軽視されやすい
行動コントロールによる効率の追求は、常にスタッフをロボットのように扱ってしまうリスクが隠れています。

5.クリエイティブな社員が離れていく
業務を標準かするということはみんなが同じことを出来る状態を作りだすことになります。つまり、標準化された業務以外に付加価値を生み出す業務がなくなってしまえば、クリエイティブを求めるスタッフは必然的に離れて行ってしまいます。

行動コントロールに伴い、マネジャーがすべきこと

行動コントロールによって、ある程度サービスの品質が標準化することが出来ます。となりますと、マネジャーのやるべき仕事はただ1つ。標準化作業手順を作ることになります。具体的には毎日同じようにやっている作業が無いかを検証し、それらを標準化出来ないか検討します。
例えば、私の業種で言えば、毎回調べながら行っているサーバの構築手順などをマニュアル化する。毎回打っているメールをテンプレ化しておく。など標準化しておくべき業務は沢山出て来ます。
ただし、前述の通り、行動コントロールにはデメリットもありますので、他の2つのコントロールをブレンディングすることは必要不可欠です。

行動コントロールで標準化したあとにやるべきこと

ここまでご覧いただき、なんとなくお分かりいただけたかとは思いますが、行動コントロールは業務の標準化を行うコントロールです。つまり、これらでコントロール出来る業務は、言い方は悪いですが、ある程度誰でも出来る業務で、その大半は最終的に得られる成果が同じになるような業務が大半です。(もちろん責任を負う業務であったり大きな仕事の1つのプロセスがマニュアル化出来るといったものも沢山あります。)つまり究極は誰がやっても良い業務も沢山含まれており、そのような業務は自動化したりアウトソーシングしてしまう形が究極です。

自動化

仕事でルーティン的なものがある場合、かなりの確立で自動化出来ます。初期投資コストは生じますが、自動化できるようになれば、正社員の時給分のコストはすぐに回収できてしまうでしょう。

アウトソーシング

行動コントロールで制御する業務の中では、誰がやっても結果が同じで、自分たちがやっても付加価値を生まない仕事が沢山含まれているはずです。このような業務はアウトソーシングしてしまいます。検討のポイントは自分たちの時給よりも安くやってもらえるです。また、この考え方は社内でも同じです。生産性が高く、時給の高い従業員は付加価値の高い仕事を行うように業務を割り振ります。逆に誰がやっても結果が同じような業務は生産性が低く、時給の安いパートの方などに任せます。

話が少し逸れましたが、業務を外に出す前に検討・確認すべき点としては、「何が自分たちに取って重要な業務なのか」「どの業務は社内で経験を蓄積する必要があるのか」についてよく検討する必要があります。例えば、自社のコアとなる業務を外注することは競争力を弱めるリスクが生じます。

この点はアップルやキーエンスといったファブレス型のメーカーのさじ加減がうまく、自社工場を持たず、生産や管理は専門の業者に任せています。まさに持ちは餅屋という考え方ですね。

結果コントロール

結果コントロールとは最終的な達成すべき目標を明確にし、それまでのプロセスに関しては、各スタッフに委任する方法です。この狙いとしては、移り変わりの早い世の中でいち早く顧客のニーズに応えることが出来るようにするためです。いちいち上司にお伺いを立てているようでは遅い。現場にある程度権限を与えたり裁量を任せることでスピード感のあるビジネスを実現することが出来ます。

結果コントロールが向いている仕事

  • 研究開発など、成功モデルが無い仕事
  • クリエイティブな仕事
  • 顧客に応じた柔軟なサービスが必要な仕事
  • 新規事業

結果コントロールのメリット・デメリット

メリット デメリット
  1. 当事者意識が高くなる
  2. イノベーションが催促される
  3. モチベーションが上がる
  4. コストが安い
  1. 失敗のリスクがある
  2. コントロール出来ない要素が不満に繋がる
  3. 数字に現れないものが無視されやすい
  4. 個人主義に陥りやすい

結果コントロールのメリット

1.当事者意識が高くなる
結果コントロールでは仕事に対して自由度が与えられ、自分の行動に対して自分で責任を持つことになります。したがって、各スタッフが自然に当事者意識を持つようになります。「上に言われたから仕方が無い」という空気が漂う職場では、現場それぞれをミニ経営者として扱うことで、自分の裁量や判断がダイレクトに反映されるため、仕事に対する当事者意識を芽生えさせることが出来ます。

2.イノベーションが催促される
具体的な行動を催促しない分、スタッフには工夫をして仕事をする自由度が与えられます。つまり、場合によってはこれまでになかった画期的なアイデアなどが生まれる可能性も出てきます。しかし、基本的にはイノベーションはうまく行きません。言わば1勝9敗の世界です。そんな中、行動コントロールと異なり、結果コントロールは進捗プロセスが見えづらく、金になるかならないか分からない活動を見守るにはマネジャーにも相当な忍耐が必要です。そして耐えられない未熟なマネジャーはすぐに行動コントロールしてしまいます。
この点グーグルなどは仕事時間の20%を自分の担当業務以外に使う「20%ルール」が著名です。これは時間管理という「行動コントロール」でイノベーションという結果コントロール的な活動をしようという非常に興味深くバランスの良い取り組みと言えます。

3.モチベーションが上がる
頑張って取り組もうが評価が同じであれば多くの人は楽な方に流れやすいです、しかし、結果コントロールでは自分の運命は自分で握っているような感覚になるため、比較的モチベーションが上がりやすいと言えます。特にフルコミッション系の営業などは自分なりの方法で個人で何億も稼ぐことが出来るので、やる気のある人はどんどん働きます。しかし、これは全員に言えることではなく、厳しいノルマを課せられれば、人によっては逆にやる気が削がれてしまう恐れがあります。

4.コストが安い
スタッフが自律的に働き、自分のやり方を考えるので、行動コントロールのようなマニュアル作成の手間が省かれるのでコストは安いと言えます。

結果コントロールのデメリット

結果コントロールのデメリットはほぼメリットの裏返しになっています。

1.失敗のリスクがある
当たり前ですが、各スタッフに任せる領域を増やせば、失敗リスクも高まります。最近私の職場では、ある程度経験を積んだディレクターが制作進行を独断で停止させて3週間スケジュールが遅れるという自体が発生しました。このプロジェクトは代表と問題のスタッフが二人で進行していましたが、代表がこのスタッフにプロジェクトを全委任していたため、問題の発見が遅れました。これは上長である代表が細かいプロセスの管理を行っていない故に起きた問題とも言えます。一つ言えることは結果コントロールと放置は異なるという事です。例えば、定期的な報告義務を設けるという行動コントロールをうまくミックスしていればこの問題は生じなかったはずです。

2.コントロールできない要素が不満に繋がる
結果コントロールで仕事を任されたとしても、必ずしも本人の意志でコントロール出来ない要素があります。例えば、大口案件を任せられているスタッフと新規開拓を任せられるスタッフとでは、売り上げ数字的に新規開拓のスタッフのほうが不利です。このような状況を踏まえずにマネジャーが安直に数字だけでスタッフを評価すれば現場のスタッフには不満が溜まります。

3.数字に現れないものが無視されやすい
結果コントロールは目標を達成するまでのプロセスを細かく評価しないため、客観的に判断が出来る数値を評価基準にすることが多いです。ところが、特定の数字だけで判断をしようとすると、どうしても点数稼ぎのための短期的に成果の出る行動に陥りやすくなってしまいます。そのため、中長期的に評価の出る行動に走りやすくなります。しかし、組織というものは数字以外にもお客様への接客対応や、技術サポート、社内マニュアルの整備など数字では表せられない要素によっても支えられています。このような地味な活動が正しく評価されないと、だんだん会社の足腰が弱まっていくでしょう。

4.個人主義に陥りやすい
結果コントロールで上司や同僚への依存度が減ってくると、助け合いの精神が減ってきて個人主義に陥りやすくなります。例えば成果を出すためのノウハウを自分だけのものにしたりといったことが考えられます。そうなってきますとノウハウが特定の人物に依存するため、その人物が退職してしまうと会社からノウハウが無くなってしまうといった自体が生じてしまいます。

結果コントロールのデメリットをカバーする

これまで説明してきた内容を見ると、結果コントロールは諸刃の剣のような印象を受けるかと思います。その印象は間違っておらず、実際には結果コントロールが単体で使われるといったことはありません。行動コントロールや環境コントロールといった別のコントロールとうまく組み合わせて、結果コントロールのマイナス部分をカバーして行きます。
例えば、

  • 基本的には業務フローなどのトレーニングを受講させる(行動コントロール)
  • 定期的なプロジェクト進捗報告義務を設ける(行動コントロール)
  • 売り上げ以外に評価指標を組み合わせる(結果コントロール)
  • 会社の方向性、経営理念などを繰り返し伝える(環境コントロール)

といった具合です。

環境コントロール

環境コントロールは簡単に言えば、組織の文化を作り出すインフラをコントロールするといコントロールとなります。環境コントロールに最も大きな責任を持つのは当然ながら経営者となります。どんな目標を掲げ、どんな雰囲気の会社にするかは、経営者の志にかかっています。ただし、志が高いからといって、会社がうまくまわるとは限りません。社長が熱く語っても社員は斜に構えて聞いていたり、しらけているシーンはよく見かけるシーンです(苦笑)。マネジャーはその志を組織内で正しく実現していくという重要な任務を背負っています。

環境コントロールの具体的な手法

規律を作る

創立間もないベンチャー企業は社長が熱いビジョンを掲げている場合が多いです。そして、入社する人たちはそのビジョンに惹かれて集まってくるケースがほとんどです。組織はこの状態を維持して行かなければなりません。経営者が本気で経営理念を掲げ、さらにマネジャーがそれを実践していけば、それに合わない人たちは、居心地が悪くなり、自然とやめて行きます。そして価値観に共感する人たちだけが組織に残り、洗練されて行くのです。これが組織の本来の姿です。
よく全社会議などで経営理念などをすっ飛ばして売り上げ目標だけ掲げる組織を見かけますが、そのような組織は離職率も高くなります。組織が何を目指しているかを明確にしていないため、スタッフも働く目的を自分自身の利益優先で考えるしかなくなります。例えば、組織を自分自身のキャリアの踏み台として考えていたり、お金の為だったりです。
規律が明確であれば「それはウチらしくない」といった声があがり、スタッフ自身で判断を取ることができるなど、結果コントロールの精度を上げることも出来ます。

適切な人を雇う

当たり前ですが、組織は人の集まりで出来ています。従って、組織の価値観とマッチングする適切な人を雇うということは、最も重要な活動の一つです。誤った人を採用すれば組織に悪影響がありますし、適切な人を雇うことが出来れば組織力は何倍もアップします。
ビジョナリーカンパニーのジムコリンズは「先に人を選べ」と言っています。スキルや学歴、業務経験ではなく、まずは「基礎的能力と性格」を重視すべきということです。つまり、コミュニケーション能力や思考力、価値観などを変えることは出来ないため、この部分が一致した人材を確保しなければならないということです。スキルは価値観が一致しているか確認したあとのことです。

組織をデザインする

組織のデザインとは、トップから現場までを何階層にするか、誰にどんな権限を与えるのか、どう評価するのかといったことを決めることです。基本的な組織のデザインは組織が達成したい目的によって決まります。重層なピラミッド型か、自立分散型か、運命共同体のグループ単位かなどです。

正しく評価する

誰をどのように評価するかは組織のカルチャーに極めて大きな影響を及ぼします。評価制度の基本は以下の通りです。

  • 好ましい行動→報酬を与える
  • 好ましくない行動→罰を与える

極めてシンプルですが、経営理念と評価制度にズレが生じているなど意外に難しく、以下の2つのポイントは要チェックです。

経営理念と評価が一致しているか
例えば「チャレンジ精神」を経営理念に掲げている会社で新しいプロジェクトの立ち上げに失敗してしまった社員をトップが「今度は利益を10倍にして返してくれよ」と勇気づけ、高く評価すればみんな奮起すると思います。逆に「顧客満足度」や「チームワーク」が大切と言っている会社が売り上げだけを評価する制度になっていれば「結局売り上げが一番大事なんだよ」と間違ったメッセージが伝わってしまいます。

評価すべきものを測っているか
営業職であれば売り上げで評価が出来そうですが、事務職の場合は、数値では評価がしづらいです。また、営業職であったとしても顧客と長期的な関係を築こうと思ったら単なる売上高だけでは評価が出来ません。また、評価する場合も「どうやって測るのか」は事前にはっきりさせておかないと問題が置きます。

配置する

ひとは好きなことをしているときに最も高いパフォーマンスを発揮します。本人に見合う仕事を割り振れば、モチベーションが上がり、高い仕事の成果が出せます。また、チームとして相性が合う人、苦手な部分をお互いにカバー出来る人を組み合わせることができればさらに高いパフォーマンスを発揮することが出来ます。マネジャーは各スタッフの能力を的確に見抜いて、適材適所で人材を配置していく必要があります。

トレーニングを提供する

日本ではOJTが中心で、外資系企業に比べて、正式なトレーニングにかける金額が一桁すくないと言われていますが、それでも自分自身でトレーニングが必要と気づいた人は自腹でビジネススクールに通ったり、書籍を購入して独学で勉強しています。これらを企業が積極的にサポートしたり評価したりすることが出来れば、高い成果を発揮出来る人材を育成することが出来ます。

最高のパフォーマンスが発揮出来るように支援する

例えば、会社で支給されているパソコンが古ければ、高い成果を発揮することは出来ません。このようなハード面のサポートの他にも、営業職であれば、資料作成をサポートするスタッフを配置したり、無駄な会議や社内調整を減らすことで、営業に集中できるようにするなどソフト面出のサポートも重要です。このように組織はスタッフが120%の能力を発揮出来る仕事の環境を整備する必要があります。

まとめ

以上、3つのコントロールをご紹介してきましたが、それぞれプラス面とマイナス面があります。基本なブレンドは以下のようになるのではないでしょうか。

新人時代
行動コントロールと環境コントロールを強くして、いかに忠実に守るかを評価基準に組み込む。
新人からエースへ
土台には環境コントロールを敷き、そのうえで、結果コントロールを強くし、要所で行動コントロールを混じえる。

このようにそれぞれのコントロールのメリットとデメリットを十分に理解したうえで、メリットが最大になるように組み合わせて使うことがマネジャーの重要な役割になってくるかと思います。