Webディレクターが営業活動で意識すべきこと

受託系Webディレクターが新規見込み客との商談で意識すべきこと
こんにちは。椿坂です。

最近Googleで「椿坂」と検索すると1位や2位にYASULOGが表示されるようになってきて喜んでいるところです。(このまま椿坂48が出現しないことを祈る)

さて、SEO等検索エンジンから集客を実施している受託系Web制作会社のWebディレクターの方は新規見込み客との商談を任されることも多いのではないでしょうか?会社内に営業という職種がいない場合は、商談スキルに長けており、受注後、そのままクライアントとの窓口になれるディレクターが営業的な業務を請け負うのは必然的で、ごく自然な流れでしょう。

特に顧客の流入チャネルがSEOだったり、リスティングだったりで集客を検索エンジンに依存しているWeb制作会社であれば、制作進行が出来る、ディレクションが出来るような「案件をさばけるディレクター」以上に、「売上を構築出来るディレクター」も重宝されます。

ちなみに私は、商談後の成約率は40〜50%くらいあります。インバウンドマーケティングという性質も手伝っているかとは思いますが、それでも一般的な営業マンよりも成約率はそこそこ高いのではないでしょうか? 

この記事では、内勤型のディレクターや新規見込み客との商談が苦手というWebディレクターの方に少しばかり新規見込み客との商談に自信のある私が営業時に普段意識していることをお伝えしたいと思います。

尚、Web制作会社にも様々なタイプがありますので、この記事では僕のような「課題解決型」の受託系Web制作の商談ということを前提としてお話をさせて頂きます。

自分たちのビジネスを理解する

Webディレクターは新規見込み客との商談に望む前に自分たちのビジネスがどのような性質であるかを把握しておきましょう。自らのビジネスの性質を把握することで、自分たちが見込み客から求められてることや重視されていること、購買プロセスが明確になり、商談の際のアクションも明確になります。

BtoBビジネスの4つのカテゴリー

Web制作は一部の一般ユーザ向けの安価なCMSや制作ツール系のサービスを除くと、基本的にはいわゆるBtoB取引になります。BtoBビジネスは概ね4つのカテゴリーにセグメントできて、それぞれのカテゴリーで購買者の商材リテラシーが異なったり、事業インパクトも異なります。以下、見てみましょう。

BtoBビジネスの4つのカテゴリー

表でまとめると

カテゴリー 購買者の
リテラシー
事業
インパクト
ビジネスの内容
主要材・素材型 高い 高い 顧客のサービスに必要な材料や素材を生産、販売するビジネス
消耗品・備品型 高い 低い 文房具やコーヒー等の消耗品を販売するビジネス
パッケージ型 低い 低い パッケージ販売しているビジネス(Web制作が該当する場合も)
ソリューション型 低い 高い 顧客の問題を解決するビジネス(コンサル型のWeb制作はコレ)

Web制作は基本的には「ソリューション型」あるいは「パッケージ型」

このようにWeb制作というビジネスをBtoBビジネスという視点で見てみると基本的には「ソリューション型」あるいは「パッケージ型」に該当するビジネスということが見えてきます。

おそらく受託開発メインのWeb制作会社の多くはソリューション型に該当し、パッケージプランによる制作やCMS等の販売を行う会社の中には「パッケージ型」が該当するという会社もあるでしょう。

Web制作に対する顧客の商材リテラシーは低い

ソリューション型のビジネスやパッケージ型のビジネスの特長としては、顧客の商材リテラシーが低いことです。

いずれも基本的には顧客が抱えている問題を解決するビジネスで、この手のビジネスは顧客自身が自らの問題を解決出来ないため、外部のベンダーに協力を求めているわけです。従って、購買者は必然的に商材に対するリテラシーが低く、ベンダーのビジネスを分かりづらく感じるのが一般的です。

商談に望むWebディレクターは、大前提として、自分たちのビジネスが相手にとって分かりづらいということを念頭に置いて、同じ目線まで降りたり、分かりやすい言葉を選んで商談に望みましょう。

事業インパクトの高さからリスクを避けようとする

ソリューション型のビジネスの特長として、事業インパクトが大きいことが挙げられます。見込み客は事業インパクトが大きい故に当然ながら取引で失敗をしたくないという心理が働いています。

つまり、Webディレクターはいかに見込み客の不安を払拭出来るかが重要になります。例えば、同業他社の制作事例を積極的に開示するであったり、自社の開発体制を伝える、修正に対する対応等、見込み客が不安に感じるであろうポイントは事前に伝えておく等の意識が必要です。

購買者と意思決定者が異なる場合が多い

事業インパクトが大きい故に意思決定には組織の重役が関わってくることが一般的です。

この性質から商談に登場する人物によって、見込み客の本気度や購買ステージを見分けることが可能です。一般的に考えて、平社員等決済権を持たない社員しか登場しない場合は、まだ、情報収集フェーズであるか、あるいは本気度が低いかという場合が多いです。

逆に部長や社長など決済権を持つ社員が登場する場合は、既に比較検討フェーズに入っていたり、本気度が高い場合が多く、重要な商談と捉えることが出来ます。

Webディレクターは相手の本気度やフェーズを的確にくみ取り、自らのエネルギーの注ぎ方をコントロールしましょう。(ターゲットについて詳しくは後述します。)

理想のターゲット像を明確に定めておく

自分たちのビジネスが明確になったところで、次は自分たちが狙うべきターゲット像を明確にしていきます。

当たり前ですが、全ての見込み客を成約させて顧客にするなんてことは出来ません。おそらくWebディレクターとして活躍されているあなたはプロジェクトの進行も任せられていて、時間にも限りがあるでしょう。全ての見込み客に全力を出す必要はありません。自社が貢献出来る顧客、自社が狙いたい顧客にだけ全エネルギーを注げば良いのです。(ここでは私の例を紹介します。)

ソリューション型商材の見込み客タイプ

Web制作のようなソリューションタイプの商材の見込み客は以下のようなタイプにセグメント出来ます。

Web制作を検討する見込み客タイプ

図の中でも私のような課題解決型のWebディレクターは、提案の余地が大きい(B、D)のような見込み客を狙う方が良いでしょう。理由は様々ありますが、主に以下です。

  • 価格競争に陥りづらい
  • 事業インパクトが大きいケースが多い
  • 商談の主導権を握れるケースが多い
  • (僕の場合)顧客と対等なため、最終的に熱い関係になれるケースが多い
  • (僕の場合)なにより自分自身が貢献出来て、楽しいと感じる

撤退条件も明確に定めておく

逆に先の見込み客像の左半分(A、C)の可能性が高い見込み客で、なおかつBやDに移行させることが難しい見込み客は早々に撤退します。Cに関しては貢献が出来ないので論外です。

Aに関しては一見すると避けたいタイプですが、見込み客が理解しているつもりの解決策がそもそも間違っているパターンも大いに考えられますので、チャンスがあればBタイプやDタイプの見込み客としてやり取り出来る可能性もあります。見込み客が本当に求めている成果を掘り探り、BやDの見込み客になり得ないかチャンスを伺いましょう。

危険シグナルを感じ取る

また、ソリューション型のビジネスは事業インパクトが大きいため、最終的な決済に役員クラスが関わってくることも少なくありません。

先のビジネスの性質の中で説明しましたが、初回面談時に部長クラス以上が登場した場合は、既に比較検討フェーズに入っている場合がありますので、比較的重要な商談と捉えて間違いありません。

逆に初回面談時に平社員クラスが出てきた場合は、まだロングリストを作成している情報収集フェーズの場合が多く、そのまま決済まで進行するといったことはほぼありません。(会社規模にもよる。小規模な企業の場合は決済権がある場合もある。)

このように見込み客の出方によって、購買フェーズや本気度などをなんとなく感じとることが出来ます。

いずれの場合であっても基本的には、良質な提案を行う以外にやれることは無いのですが相手の出方を見極めることで、危険シグナルを見分けることは可能です。(つまり撤退や長期育成顧客にするかの見極め)もし、以下のような様子を伺える場合は自らのリソースを守るために撤退や優先度の変更も視野に入れましょう。

意思決定者がワンマン。しかも現場には出てこない

苦労するプロジェクトに多いのが意思決定者がワンマン社長で背後で口出しだけしてくるケースです。私の経験上、中小企業や学校法人や医療法人に多く、このような組織との商談は右往左往、二転三転するので大変苦労します。ワンマンだとしても積極的に前面に登場し、ベンダー側を最大限尊重する人物の場合は話は別です。

購買担当者や意思決定者が新卒などビジネス経験の浅い人物のみで構成されている

このケースは話は早いのですが、そもそもビジネスの経験値が浅い人間にWebという重要な媒体を任せるという時点で本気度の高いプロジェクトとは言えません。(Webを重要な媒体と捉えていない)

また、ビジネス経験が浅いため、例え成約してもプランニングに必要な情報をヒヤリングする際に苦労することになります。

担当者がころころ変わる

商談の最中に担当者がコロコロ変更する案件は大抵実を結びません。重要なプロジェクトにおいて担当者が変更になることは早々考えられず、このような案件は白紙になるケースも多いため、撤退するほうが良いでしょう。

重要な情報が提供されない

インバウンドで流入した商談では、ほぼ考えられませんが、ヒヤリングに対して情報をひた隠しにする姿勢が見て取れる場合は危険シグナルです。

例えば、稟議に伴い、提案の数が必要で、単に提案が欲しいだけなど、当て馬として使われている可能性があります。

これは撤退の合図ですが、単に信頼関係を築けていないように見受けられるのであれば、アプローチを変えて信頼関係を構築するよう努めても良いかもしれません。

購買関係者の情報が提供されない

決済に伴う購買関与者が不明な場合もリスクが高いです。特に意思決定者や稟議プロセスが分からないようであれば採用基準が不明確になりますので成約率は低いと言えます。

決済プロセスが不明確

見込み客の中で決済プロセスが定まっていない場合は社内で重要な案件でない可能性があります。このような見込み客は成約まで時間がかかりますので、優先度を下げたり、長期的にナーチャリングしていく等が良いでしょう。

必要な情報のフィードバックが遅い

現状のアクセス情報の開示が遅いなど、見込み客側の宿題対応が遅い場合は、社内で優先度の低い案件になっている可能性が考えられます。このような見込み客との商談は優先度を下げましょう。

予算があまりにも不明確

Web制作はソリューション型の商材のため、予算が不明確な場合が多いです。やむを得ないと言えばやむを得ませんが、予算感が定まっていない見込み客は単に相場を調べていたり、購買フェーズの序盤にいる可能性が高いです。当然ながら予算が定まっている見込み客のほうが優先度も成約率も高いでしょう。

このように自社が貢献出来る見込み客や狙いたい見込み客や撤退すべき見込み客を明確にしておくことで商談にかけるエネルギーや優先度、対応策をコントロール出来るようになります。

まずは商談に望む前に自社のスキルやノウハウを踏まえて、狙うべきターゲット層を明確にしておきましょう。

ご用聞きはいらない。見込み客は提案を求めている

先に書いたビジネスの性質やターゲットのタイプからも課題解決型のWebディレクターには提案力が求められることがわかります。

Web制作のようなソリューション型商材の購買担当者はリテラシーが低く、課題を漠然としか認識していない、あるいは間違って認識するなど、十分に課題を理解する前に間違った要件を提示してしまっているといったケースも少なくありません。

それ故に見込み客もWeb制作会社から全面的に支援や提案を受けたいと考えており、その支援の良し悪しが成約に関わってきます。

裏を返せば、問題解決の提案が出来ないWebディレクターは新規顧客獲得は難しいと言えるでしょう。

Webディレクターはご用聞きにならないためにも、見込み客は自分たちのビジネスに対して素人であると割り切って考えることが必要です(見下す必要はありませんが…)。なおかつ自分たちは「問題解決を期待されている」と考えて、見込み客の置かれている状況と本当に成果を十分に理解し、提案が出来るよう意識しましょう。

では、次に見込み客が考えている本当の成果について考えていきます。

見込み客が求めている本当の成果は何なのか?

おそらくSEOやリスティング等、検索エンジンから直請けの仕事を得ているWeb制作会社の場合、問い合わせフォームや電話などで「Webサイトをリニューアルしたい」「新規でWebサイトを立ち上げたい」という旨の連絡があり、必要に応じてヒヤリングに伺い、提案、見積もりという流れになるケースが多いかと思います。

この際に「何ページのサイトか?」「サイトマップは?」「デザインのイメージは?」と、仕様メインのヒヤリングをしてしまうのは基本的にはNGです(概算を算出するためなら仕方ありませんが、、)。

先に述べた通り、web制作を検討する見込み客はWeb制作のリテラシーが低く、いわばWeb制作の素人で、自分の本当に達成したいことをうまく伝える事が出来ません。仮に見込み客から「このようなサイトにしたい」といった具体的な考えが出てきたとしても、その多くは経験上、正解ではありません。

繰り返しますが、見込み客は自分達が抱える問題を解決するために本当に必要な施策を理解していません。なんとなくWebサイトのリニューアルが必要という考えに至り、問い合わせることになったというだけで、本当の狙いはWebサイトをリニューアルすること自体ではありません。

では、見込み客は何を期待して問い合わせてきているのでしょうか?以下、見てみましょう。

Web制作を求める見込み客のニーズは大きく3つある

見込み客はWeb制作という形で相談をしてきますが実質は大きく3つくらいのニーズしかありません。

見込み客のニーズ

以下、詳しく見ていきましょう。

商品・仕様ニーズ

これは3つのニーズの中でも最も下位にあるニーズです。見込み客の方からアウトプットの形や欲しいものを指示してくるパターンです。つまり「ウチにはこのような考え方があってこういうものを作ってほしい。」
というレベルまで定まっているニーズです。

このニーズに応えるのは制作側も頭をあまり使わず、言われた通り制作すれば良いので、楽と言えば楽です。しかし、発注側からすれば自分たちの考えを形に出来る制作会社であれば誰でも良いわけで、基本的に質を保てて安くて早く出来ることが優先となります。つまり必然的に競争が激しくなります。

もし、見込み客からこのようなニーズが見え隠れする問い合わせがあった際のアプローチとしては、より上位のニーズを探り、それに対して問題解決を提案するという形が良いでしょう。逆にこれが難しい場合は早々に撤退するということも重要です。

「早々に撤退する」というのは先のターゲット設定の話の際にありましたが、顧客も自社も解決策を分かっている層は課題解決型のWebディレクターが狙うべき層ではないためです。

もちろん、見込み客が提示する仕様が間違っていることは多いに考えられますので、より上位ニーズの深堀と提案を実施は必要です。

しかし、これが到底難しいと判断された場合は限られた時間がもったいないので撤退しましょう。(この判断は前述の通り、会社としてのターゲット策定によります。ちなみに僕は課題解決を売りにしているので仕様ニーズ系の案件は基本的に撤退します。)

業務ニーズ

次に第二のニーズである業務ニーズです。これは業務を遂行するうえでのプロセスを改善するニーズです。例えば、「CMSで誰でもWebサイトを運用出来るようにしたい。」であったり、「コンバージョンした見込み客のステータス管理をWeb上から出来るようにしたい」といった業務を遂行する上でのプロセスを改善するニーズです。このニーズは3つのニーズの中でもちょうど真ん中に位置するニーズで事業インパクトもそれなりに大きくなります。

また、業務ニーズは少し深堀をすると、経営ニーズに直結するケースが多いため、そもそもの依頼の背景をヒヤリングすることで、より経営ニーズに近い課題が発見され、それに対しての提案が可能になります。

逆に業務ニーズは仕様ニーズとも密接に関わるニーズでもありますので、ご用聞きになり、結果として仕様・商品ニーズに応えるだけの奴隷にならないように注意をしましょう。

業務ニーズに対しては、常に「御社のビジネスは○○なのでこの仕様の方が良い」といった形で顧客のビジネスを意識した提案が大切です。

経営ニーズ

経営ニーズは見込み客のニーズの中でも最上位にあるニーズです。企業である以上、基本的には営利が目的にあります。経営ニーズは概ね、利益増加ですので、「売上増加」か「コストダウン」になるでしょう。また最近では「採用強化」等、人材に関わる点も含まれるかもしれません。

Webディレクターは見込み客のニーズを深堀し、経営上の課題解決に関与することが出来れば、事業インパクトの大きな案件を獲得しつつ、クライアントとより強固なパートナーシップを築くことが出来るでしょう。

尚、僕はBtoBや高関与商材を扱うBtoC中小企業を主なターゲットとしています。理由としては、中小企業はデマンドジェネレーションをWebサイトに依存している(あるいは全く活用してない)場合が多く、Webサイトの改善が経営課題そのもので、比較的容易に経営ニーズに関われるからです。(その他に企業の重役と関われるなどいくつか理由があります。)

ニーズをまとめると

レベル ニーズ 内容
レベル1 商品・仕様ニーズ 求められる機能を満たすニーズ
レベル2 業務ニーズ 業務プロセスの改善を目指すニーズ
レベル3 経営ニーズ 利益を増加させるニーズ

経営ニーズに近ければ近いほど事業インパクトが大きくなる

当然ではありますが、経営ニーズに近ければ近いほど、プロジェクトとして関与する領域が広くなりますので、売上のインパクトも多くなる傾向にあります。

逆に商品ニーズは言われたことを実現するだけですので、安さや便利さを求められるのが一般的で、競争を強いられることが多く、なおかつ、大きな売上を望めません。最悪の場合、顧客の奴隷になってしまうケースもあります。

課題解決型のWebディレクターは見込み客からの表面的な依頼内容は話半分程度で考え、常に「上位のニーズがあるはずだ」という意識を持ちましょう。

低レベルニーズに対しても、何故?を繰り返し、経営ニーズを探る

なぜを5回繰り返すトヨタ式はよく耳にしますが、Webディレクターの商談の際にもなぜを繰り返すことは大切です。

見込み客の「webサイトをリニューアルしたい」という一見単純な問い合わせ内容には様々な背景があり、言葉の裏側に達成したい目的や目標がいくつも隠れています。

例えば、「SEO対策をしたい」というひと言についても鵜呑みにするのではなく、「なぜSEO対策をしたいのか?」→「○○というキーワードで上位表示させたいから」→「なぜ上位表示させたいのか?」→「アクセス数をのばしたい」→「なぜアクセス数を伸ばしたいのか?」…のようになぜを繰り返し、根本に考えているニーズまで掘り下げることを意識しましょう。

ニーズを掘り下げていくことで経営課題に関する提案が出来ると共に、見込み客自身も自分の抱えている課題が経営課題であることに気づくことが出来ます。

また自分たちの考えていた施策以外の解決案の存在にも気づくかもしれません。

もし、見込み客自身の考えていた解決策よりも正しく、現実味のある解決案をプロとして提案することが出来れば、プロジェクトのイニシアチブを掌握しつつ、より強固なパートナーシップを構築したうえで、案件に取り組むことが出来るでしょう。

クライアントのビジネスを理解し、現実的な施策を提案する

見込み客の経営課題を解決するための提案を行うためには、まずは見込み客のビジネスそのものを理解する必要があります。

見込み客のビジネス構造を理解し、そのうえでボトルネックになっている箇所を発見し、現実的に自社のサービスやソリューションで貢献出来るポイントを洗い出す必要があります。

クライアントのビジネス構造を知る「内部」と「外部」のフレーム

見込み客のビジネスを理解する際にはいくつかのフレームがあります。以下2点を紹介します。

クライアントを内部から見たフレーム

クライアントの内部から見たフレーム

まず1つ目は見込み客のビジネスを内部から見たフレームです。これは見込み客の企業活動を整理していくイメージです。Web制作というソリューションを提案する場合、この企業活動を整理していけば、ほぼボトルネックと提案すべき内容が見えてきます。尚、私の経験則ではBtoB企業のWebサイトリニューアルを対象にする場合は、ビジネスプロセスの部分を整理すれば改善ポイントが見えてくるケースが多いです。

このようにまずは見込み客がどのような企業活動を行っているかを詳しくヒヤリングすることで、見込み客の企業活動のボトルネックが明確になり、自社で適切なソリューションの提案が可能になります。

クライアントを外部から見たフレーム

クライアントの外部から見たフレーム

次に見込み客のビジネスを「クライアント」「クライアントの顧客」「競合」の3つの要素の関係性から見るフレームです。

問題解決を期待する見込み客にとっては、ただ単にWebサイトを作るベンダーよりも、自分たちの顧客や競合まで意識し、市場やビジネス全体を踏まえて、提案する姿勢を見せるベンダーの方が「自分たちの立場になって問題を解決しようしてくれている」と信頼を寄せます。

たとえ成約前であったとしても外部フレームを元に見込み客の置かれている状況を仮説立てしておき、「このような問題を抱えているのでは?」とヒヤリングすることはWebディレクターの大切なマインドです。

また、外部から見るフレームは、より具体的な提案内容を考案する際に有効です。例えば、競合他社との差別化ポイントをコンテンツ化する、想定ターゲットユーザをペルソナ化しニーズを抽出する、比較検討フェーズを想定したコンテンツを用意する等です。

これらはかなり具体的な施策の話になりますので、どちらかと言えば成約前よりも成約後の話になるかもしれません。

尚、外部から見たフレームの場合、市場そのものを俯瞰するようなマクロの目線でビジネスを見ていくイメージとなります。そのため、Web制作の範疇を超えるボトルネックが見つかる場合もあります。例えば、プライスの話やサービス設計など見込み客の商品そのものに関わる話等です。

ビジネスそのものの提案ももちろん良いのですが、「そもそも価格帯が厳しい」や「商品自体が弱い」「ブランド戦略が良くない」なんてことをWebディレクターが提案し、採用されるなんてことは現実的とは言えません。(社長が窓口の場合は別です。特に一人親方的な企業の場合は経営コンサル的な提案も十分に可能です。)

この点は、きちんと市場の状態を伝達した上で、Webサイトで実施出来る現実な施策を提案していくということも必要になるでしょう。

まとめ

ここまでWebディレクターが新規見込み客との商談で意識すべきことをまとめてきましたが、おさらいをすると以下のようになります。

  • 自分たちのビジネスを理解する
  • 理想のターゲット像を明確に定めておく
  • 撤退条件も明確に定めておく
  • ご用聞きはいらない。見込み客は提案を求めている
  • 見込み客が本当に求めている成果を導きだす。
  • 低レベルニーズに対しても、何故?を繰り返し、経営ニーズを探る
  • クライアントのビジネスを理解した上で提案する

以上です。いかがでしたでしょうか?

この記事が受託系Web制作会社のWebディレクターの方の新規顧客獲得のお役に立てば幸いです。

ではまた。